絶望から抜け出す心理学 心をひらく マインドフルネス な生き方
加藤諦三氏の新作「 絶望から抜け出す心理学 」の紹介です。
いま流行りの マインドフルネス な生き方を解説した本です。
マインドフルネス は加藤諦三氏の友人のエレン・ランガー教授が提唱したテーマです。
マインドフルネス というのは元々は仏教の概念のようです。一言で言えば「無心」ということでしょうか。
要約してみました。
マインドフルネス は幸せになるための心の技術
- 人生に対する視点の重要さは、何度繰り返しても、強調しすぎることはない
もしあなたが幸せになりたいなら、
社会的に成功する努力をしているか、していないかではなく、
マインドフルネス かマインドレスネスか、
それを絶えず自分に問いかけることである。
- 成功とは自分のこころが成長し続けること
人生には自分の資質に反するような義務はないのです。
あなたがあると思いこんでいるだけなのです。
もし自分自身であり得ないのなら悪魔になった方がましだ。(シーベリー)
- 注意に注意せよ
マインドフルネスな人は、自分が何に注意しているか、気がついている。
喧嘩はコミュニケーションである。視点によっては対立ともとれるし、
別の視点からすればふれあいともとれる。
- 劣等感はマインドレスネスになり、向上心は マインドフルネス になる
神経症になる人は新しい視点で人生を見ることが出来ない。
新しい視点で人生を見ることが、新天地を開き、自分自身になり、個性を伸ばし、
「内なる力」が伸び、幸せになる方法である。
「自分の人生は終わりだ」と絶望して立ち上がれない人と、
立ち上がれる人の違いは、視点を変えられるか、変えられないかである。
- 病んだ集団は、個人の成長を歪める
病んだ集団にいると、視点が一つになる。具体例がカルト集団である。
「孤立と追放」を恐れて集団の歪んだ意識に同調する
- 「自分にとって最悪のことは何か」がわかっているか
自分の視野を広げ、マインドフルネスになること。
不安を動機とし、勝つことによって多くの人に認められようとした。競争で勝つことは自己実現ではない。
不安をあきらかにすることは、認識を拡げ、自我を拡大することになり、情動的健康達成の道である。
幸せの鍵はものの見方にある
- 悩み事が絶えない人の問題点
マインドフルネス とは多面的な視点で物事を見ることである。
そうすれば同じ体験をしても心配ごとで心を煩わせる機会は少なくなる。
悩み事が絶えない人は、心を閉ざしたマインドレスネスの状態を身につけてしまっている。
その結果として原因不明の「心身の不調」に苦しんでいる人が多い。
- 自分を立派に見せようとするから疲れる
マインドフルネスな人は人生を結果ではなく過程で見る
頭を柔らかくして、いままでよりもっと「愚かになろう」。
- 失敗しても再起できる強い人になるためには
マインドフルネスの本質的特徴のひとつである「過程を重視する態度」を身につけることである。
完全な大人などいない。
- 視点を変えることができるということが、 マインドフルネス ということである
人は不安であればあるほど、自分の心の条件を変えなければいけない。
自分自身を変えることにエネルギーを注ぐべきである。
自分が変わるとは、今よりもっと自分自身になることである。
- マインドフルネス とマインドレスネスでは、起きた事柄を解釈する視点が違う
起きた事柄を解釈する時間的枠組みも違う。
- 多くの視点から「今」にフォーカスする
自分の器の中で人生を楽しむ。
大切なのは「今日を摑む」ことである。
成長とは意味を獲得する活動的なプロセスである。
精神的成長は生涯 続く。
「とらわれないアタマ」に作り変える
- 「とらわれ」から逃げられないように育った人もいる
一度あることを体験すると、二度目に同じ状況に遭遇したときには、
最初の体験に固執するようになるという心の傾向がある。
- 神経症者は規則を嫌う(カレン・ホルナイ)
公平に扱われても不公平に感じるのは、幼少期に不公平に扱われたから。
一口にいってマインドフルネスとは無心である。
マインドフルネスは多面的な視点から物事を認識できる。相手の立場から物事を見られる。
- 脳のニューロンのネットワークを変える
電話をかけにくい人にかけ、少しずつ話しやすい関係になっていく。
繰り返し、繰り返し電話をかけることで、かけやすくなり新しいネットワークができてくる。
マインドフルネスとは新しいニューロンのネットワークができることである。
マインドレスネスとは、既存のニューロンのネットワークが維持されることである。
- マインドフルネス とは自己実現している状態である
心が「今」にいるので、複数の視点から物事を見られる。
過去のカテゴリーで人も自分も判断しないこと、この姿勢が楽しく充実した人生を送るには大切である。
- 弱点そのものは問題ではないのだ
その弱点を自分にとっての重要な他者が拒絶したか受け入れたかが、問題なのである。
依存心の強い幼少の時代に、
自分にとって重要な他者と直接面と向かったときに受ける恐怖感は扁桃核に焼き付く。
- 私のすることには価値がないは、マインドレスネスの典型である
送られたメッセージは、受け取られたメッセージと必ずしも同じではない。
- 自分の感情的記憶を形成した過去と現在では、状況が変わったことに気がづくのがマインドフルネスである
拒否されて成長した人は、世界を見る視点を変えれば、
世界は変る。それがマインドフルネスである。
- 「神経症者には相手を侮辱しようとする無意識の傾向がある」(カレン・ホルナイ)
その無意識が子供の影響を与える。
子供をいじめることで心を癒やしている親は、比較を武器にしている。
- 自分にかけられている否定的な暗示に気づくことから、治療は始まる(デビット・シーベリー)
視点が変われば、世界は変る。
どのような人が、どのような状況の中で、
どのような目的で言ったかを考える。
(傷ついた心を癒やすために、弱い人を見つけて、
その弱い人を傷つけるために吐いた言葉)
他人と共に生きてい後という感情の代わりに、
優越を求めることが基本的不安感になり、
自分の自発的な感情から他人とつながることを妨げる。
自己否定的な認知拘束から開放されることが、
自分自身として生きるようになることである。
- 自責の念を外化した人は、相手から感謝されているときでさえ、相手から責められていると思い込む
自分が自分をバカにしていることを外化すると、
相手が自分をバカにしていなくても、バカにされていると感じてしまう。
まとめ
「ありのままの自分」を受け入れてくれない人間環境に育った人に、
視点を増やせということですね。。
生きる道は一つではない。「生きる道は一つだけしか無いと思ってしまう」
原因は今生きている道が自分で選んだものではないからだと加藤氏は言います。
加藤諦三氏の長年の友人であるエレン・ランガー教授の提唱する
マインドフルネスというテーマを「とらわれた心からの開放=マインドフルネスな生き方」
として捉えて抱えた本です。
巷で言われている、「マインドフルネス瞑想」などとは少し違うかも知れません。
あくまでも心理学の立場から「マインドフルネス」という「心の技術」で
「絶望を乗り越える」方法が書かれています。
親に刷り込まれた、人生の台本を書きかえろということではないでしょうか。
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