本の紹介です。2015年に刊行された精神科医の樺沢紫苑氏の「読んだら忘れない読書術」の加筆修正版「 読書脳 ]です。速読術ではありません。精神科医ならではの読書術が紹介されています。内容的には旧版と殆ど変わらないようです。それほどよく出来た内容というとでしょう。読書術は数多ありますが、精神科医が書いたものは珍しいでしょう。理系の人には分かりやすいと思います。
以下に要約と感想を記します。
アウトプットすることで自己成長する
- 人間の脳を進化させるにはインプットしてアウトプットしてフィードバックする
- ChatGPTを使いこなすには読解力と文章力が必要
- 圧倒的なインプットがあってこそ圧倒的なアウトプットが出来る
- 読書はあなたを裏切らない
「読書+アウトプット」は、あなたを裏切らない
読書は人生に必要なものすべてを与えてくれる
1年経って古くなるのが情報(information)、10年経っても古くならないのが「知識」(intelligence)である
結晶化された知識が得られるのが本である。
他人の経験をお金で買える
ありとあらゆる成功例と失敗例の集大成が本といえる。
読書でライバルに圧倒的な差をつける
月に7冊読むだけで日本人の上位3%に入ることが出来る。
「インプット量」で勝ち、アウトプット量で勝ち、自己成長のスピードで勝つ。
そのためにいちばん簡単なのは読書量を増やすこと。
本を読む人と読まない人の決定的な違いは、「文章力」があるかどうかにあらわれる。
文章を上達させたければ、たくさん読んで、たくさん書くしかない。
ネット時代とは文章力が試される時代である。
本を読めばストレスと不安から開放される
本に書かれている通りの方法を忠実に実行すれば、ほとんどの場合、悩みは解決するか、少なくとも軽減する。
普段から本を読まない人が、切羽詰まった状態で本が読めるはずがない。
解決法を知るだけでストレスは軽減する。
読書をすると頭が良くなる
読書によって「地頭が良くなる」「知能が高くなる」「脳が活性化し、脳のパフォーマンスが高まる」
人間の能力は、脳を鍛えることによって、一生伸ばし続けることが出来る。
読書はあなたの人生を変えてくれる
本にはこの世の中のほとんどの問題の解決法が書かれている。
「運命の1冊」と出会うことが出来れば、自分の人生を大きく変えることができる。
お金と成功も読書で手に入る。
他人の経験を活かすことで、時間の無駄を減らして、最短距離で成功への道を歩むことが出来る。
読書の最終目標は「自己成長」
「行動」が変わらなければ、現実は変わらない。
楽しむ読書でなければ自己成長はえられない
「自己成長」を目的にしないほうが、結果として猛烈な自己成長につながる。
「読んだら忘れない」精神科医の読書術
1.記憶に残る読書術
1週間に3回アウトプットする
脳が重要な情報と判断する基準は「何度も利用される情報」と「心が動いた情報」の2つである。
心動くと脳内物質がでて記憶に残る。
2.スキマ時間読書術
スキマ時間だけで月30冊は読める。
制限時間を決めることで脳内物質が分泌され、読んだ内容が帰国に残りやすくなる。
3.深読書術
「本を読んだ」の定義は、「内容を説明できること」、そして「内容を議論できること」
最初に目指すべきは「読書の質」であり、「読書のスピード」ではない。
本を読む以上、それが自分の血となり肉となるような読み方をしなければいけない。
インプットとアウトプットの反復で「深読」で読めるようになれば、すでにかなりのスピードで読めるようになっている。
「記憶に残る読書術」2つのキーワード
「アウトプット」と「スキマ時間」
アウトプット読書術
- 深く記憶に残すマーカー読書術
本を読んで、変化成長しなければ意味がない。
アウトプットしながらの読書は、記憶の残りやすく、自分に変化や成長が起きる。
本を読むときに必要なツールは蛍光マーカーとボールペンだけ。
週に3回アウトプットをする、最初のステップがマーカーでラインを引くこと。
マーカーでラインを引く、書き込みをすることで脳の複数の領域を使うことになる。
「気づき」が得られた部分にラインを引く。
1冊の本で3箇所。 - 複数の切り口で人に勧める~テレビショッピング読書術
人日本を勧めるには、本の内容を思い出し、更にそれを頭の中で整理しなければいけないのでアウトプット効果は非常に高い。
人に本を勧める場合は、「複数の切り口」で紹介する。
ためには、複数の視点で本を読むことが必要。それによって、本を深く読み込んでいく能力も養われる。 - 気づきを人と共有する~ソーシャル読書術
SNS上に感想を書く。
名言投稿をする。 - レビューライティング読書術
「感想」や「名言」 - 1冊の本から情報を絞り尽くす~生グレープフルーツサワー読書術
スクイーズ(搾り)能力を高めることで、同じ一冊の本を、同じ読書時間で読んでも、インプット量を2倍に増やすことが可能になる。
本を読んだら、そこからSNSに投稿する1コンテンツ(記事)を必ず作る。
1冊の本から2コンテンツ作るように練習する。
レビューは、翌日以降に書く。
一晩寝てから文章を書くと、クールで論理てきな文章に変わる。
スキマ時間記憶強化読書術
- 制限時間があると記憶力が高まる~ウルトラマン読書術
何か物事を行う場合、制限時間を決めると集中力がアップし、膿が高いパフォーマンスを発揮する。 - 効率よく頑張りを活かす~5分5分読書術
15分程度のスキマ時間読書をすると、「初頭努力」で5分、週末努力で5分、合計10分の「記憶力の高い状態での読書」が可能になる。 - 「15分」を最大限活用する~15-45-90の法則読書術
高い集中力が維持できる限界が15分。
普通の集中力が維持できる限界が45分
「45分」に間、少し休憩をはさめば、90分の集中も可能。 - 睡眠の力を借りて脳に焼き付ける~熟睡読書術
寝る前の読書は、記憶に残る!
追想法(寝る前に考え事をすると、朝になると解決法がひらめく)を利用する。
超実践編
1.目的地を把握する~パラパラ読書術
- 全体を把握する
- 本を読む目的を設定する-
- 「速読」か「精読」かを決める
本を開いたら、パラパラと全体を見通して「目的地」と「行き方」を最初に決めてしまう。
2.知りたい部分を先に読んでしまう~「ワープ読書術」
「この本から何を学びたいか」が明確になっている場合は、いきなり「目的地」にワープする読み方がお勧め。
3.自分にとって少し難しいくらいがいい~ギリギリ読書術
人間の脳は、「自分の能力よりも少し難しい課題」に取り組んでいるときに、最も活性化する。
4.幸福感に包まれて記憶力も高まる~ワクワク読書術
ドーパミンは私達のモチベーションを高めてくれる重要な物質であり、かつドーパミンが分泌されると記憶力も高まる。
5.ワクワクする本を、ワクワクしている間に一気に読む~鉄は熱いうちに打て読書術
「おもしろそう」と思ったら一気に読む
6.著者に会いに行って勉強する~百聞は一見にしかず読書術
本で文字として書き切れなかった非言語的メッセージを受け取ることで、本の内容を倍も深く受け取ることが出来る。
講演で話を聞くことで、実際に「著者の人となり」が理解できる。
本の選び方
1.ホームラン級の本との出会いが圧倒的な成長を引き起こす~ホームラン読書術
読書は「たくさん読む」よりも「何を読むか」のほうが、10倍重要である。
2.今の自分のステージに合った本を読む~守破離読書術
今の自分のステージに合った内容を学ぶ。それによって、自己成長を最大化出来る。これは読書に限らず、全ての「学び」に通じる法則である。
3.まず「入門書」から学ぶ~入門読書術
まずは入門書から基礎知識と全体像を把握する。基礎体力を養ってから、次のステージに進むことで、時間を節約できるとともに、より深い学びを得ることができる。
4.人が推薦する本を読む~お勧め読書術
人が推薦する本から読んだほうが、ハズレを引かずに「良書」と出会う確率が高まる。
5.ベストセラーランキングに頼らない~自分軸読書術
本を選ぶ場合は、ベストセラーになっているかどうかではなく、その本を読みたいかどうか、自分自身に問うべき。
6.専門書は大型店で探す~専門書読書術
なにかの領域を「狭く深く調べたい」ときは、品揃えの豊富な大型店に行って、沢山の本に接する。
7.ネット書店のレコメンド機能やレビューを参考にする~ネット書店読書術
アマゾンのレコメンド(推薦)機能の精度は、業界の最高水準で他社には真似ができない。
8.偶然の出会いを大切にする~セレンディピティ読書術
自分だけの「情報フィルター」をあらかじめ準備しておくだけで、今までと同じように同じ時間書店を歩いていても、ホームラン本と出会う確率は倍増する。
9.直感を信じて、従う~直感読書術
直感とは、人間の膨大な知識と経験というデータベースにもとづいて、無意識下で瞬間的に行われる判断のこと。
10.1冊の本から複数の本へどんどんたどっていく~数珠つなぎ読書術
その本の「参考文献」の中から興味深い本をピックアップして読んでおけば、その分野の知識がさらに深まる。
11.失敗しない4つの基準
- 広く深くバランスよく読む
- 両輪で成長する
長所伸展 知っていることを深める読書
短所克服 知らないことを学ぶ読書 - 「情報」と「知識」のか頼りをなくす
- 読書のポートフォリオを作る
超短期投資 ネット情報、新聞、週刊誌
短期投資 ノウハウ本
中期投資 仕事術、勉強についての本
長期投資 思想、哲学、生き方についての本
個人的感想
出力を怠ってきた
中学生の時からみんなが、勉強法といえば書いたり、声に出して読んだり、線を引いたりしていたが、私にはこの五感をフル活用することが決定的に不足していました。
週三回はアウトプットしないと、記憶が定着しないらしいです。
初心者は守破離の離から選びたがる
なぜか、初心者ほど上級ノウハウを知りたがる。
これは、とても耳に痛い話です。基本からやらないから、身に付かないんですね。
全ての学びに通じる重要なことです。
まとめ
速読術の本は色々あります。けれど読書術の本は珍しいですね。
精神科医だけに、脳科学の観点からとてもわかり易く書かれています。
まずは、身の丈にあった本から読むべきであり、アウトプットが大事であるということです。
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