コンセントの左の穴はなぜ長い
コンセントの左の穴はなぜ長い かについて第三種電気主任技術者と第二種電気工事士の国家資格を持つ筆者が紹介します。
壁のコンセントの穴は右側より左側が少し長いです。
ネットでは長いほうが電圧が低く電圧の高い短い方から長い方に電流が流れるなどと抽象的な説明がされています。そこでもう少し具体的に説明します。
因みに左側が9mm、右側が7mmです。
コンセントの左の穴はなぜ長い
コンセントの左の穴はなぜ長い のか。実はコンセントには極性があります。左側は接地されておりマイナスになります。
電信柱に設置されている変圧器は6,600Vの配電線の高電圧を100V(200V)に降圧しています。
この2次側(100V側)の一方が接地されているんです。これをB種接地工事と言います。
万が一短絡事故が起きて家庭の引込線に高電圧が行かないように電信柱に設置されたアース線の方に逃がすようになっているんですね。
なのでコンセントの穴には極性があって長いほうがマイナスです。
コンセントの極性 は家庭では殆ど気にする必要はない
長い方がマイナスというのは戦前の法律で決められたようです。
昔の真空管式のラジオは間違えると壊れることがあったそうです。
でも今はそのような電気製品はありません。そもそも普通はプラグに左右の違いがありません。
私が小学生の時、戦前に建てられた古い理科室に穴が3つのコンセントがありました。
3つ目の穴は単に左右を間違えないためのなのか、アース線なのかわかりませんが、兎に角3つありました。
オーディオビジュアルの世界では今でも気にしている
プラグのマイナス側が白いコードになっていたり、刃に丸い刻印がしてある場合は、長い方に差しましょう。
ノイズを逃がすことが出来るので音質が良くなったり、画質が良くなると言われています。
私が使っていたアンプにも白いコードがあったので、左右替えて実験してみたことがあります。でも違いは分かりませんでした。
最近は高級なAV機器のプラグでもマイナス側の表示が無いものが多い気がします。
技術の進歩で気にしなくても良くなったのかも知れません。
コンセントの極性 はどうやって調べる?
電気工事の際に間違えて配線されている場合がありますので、一応調べる必要があります。
テーブルタップを使う時はそこで間違えている場合もあります。
家庭では検電ドライバーを使います。ホームセンターで売っていますね。
コンセントのプラス側に差して、柄の頭の部分を指で触れると放電管が光ります。
人間の体でアースしているわけですね。
最近はLED式もあるようです。
おまけ:日本のコンセントにはアース端子がないので電磁波が逃がせない
コンセントにもアースがあれば安全ですし、電磁波も逃がせます。
ところが、洗濯機や電子レンジ、一部の冷蔵庫を除き100Vのコンセントにはアース線がありません。
外国はあるのが普通のようですが、電圧が低いせいか日本では省略されています。200Vではありますね。これはC種接地工事になります。
このことで別の問題が生じています。電気製品から発生した電磁波が逃がせないわけです。
そういえば、40年前のパソコンのプラグにはアース線がありました。最近の家庭用にはありません。
最近の新築ではアース付きのコンセントが増えているそうです。でも電気製品の方が対応できているのでしょうか。
まとめ
交流なのにプラス、マイナスがあるなんて変な話ですね。
でも家庭では気にしなくても実用上困らないです。左右長さが同じコンセントもあるくらいですから。
でも知っていないと、いざというときに困ります。
マイナス側は触っても感電しないそうです。電位が大地と同じですから。
もちろん工事の際はブレーカーを落とすのが大原則です。
コンセントの極性は工事の際に間違っていることが結構あるみたいです。
実際、我が家も間違っていました。
なお、コンセントの工事は電気工事士の資格が必要です。念のため。
以上、電気の豆知識でした。
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